じぇねらるズ・ホーム

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うごメモジェネレイションズ 第五話

ケーニッヒがディークと会う数分前のファクトリー内収容所エリア入口前、今回の物語はここで門番を務めるメモトロン達から始まる。

ここでは捕まった人々が男と女が分けられてそれぞれの収容所に送られる。そしてここでチェック等を行い、武器を隠し持ってないか調べられ、健康状態も調べられる。健康状態が悪いものは当然のごとくラボに直行である。

なお、マティらの入れられている収容所はラボ近くの特別収容所で『様々な理由』で男女問わず収容されている。

門番1「よし、全員チェックは終わって分別出来たな」

門番2「じゃあさっさとこいつらを収容所の中に入れてけ」

門番のメモトロン2人は収容所の警備班に奴隷たちを預け、人々はそのまま収容所の中へと入れられていった。

 

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門番1「全くいつもいつも何でこんな面倒な仕事やらなきゃダメなんだ。オレたちも外に出て暴れたいぜ」

門番2「文句言うなよ、オレたちは戦闘能力が低いからここの仕事を押し付けられたんだからよぉ」

門番1「何でオレたちは皆おんなじメモトロンなのにここまで能力が違うんだよ、たくよ・・・」

門番のメモトロン達はブツブツ愚痴を漏らしていた。

うごメモジェネレイションズ #5「約束と拘束part3」

 

それからしばらくして、別の話題に話は移る。

門番1「しかし何で奴隷どもをあんなに分けて収容するんだ?全部同じ所に入れちまえば楽なのに」

門番2「バカ、男と女を一緒の所に入れたらろくな事起きるわけ無いだろ。それに女ってのは男よりもイロイロと役に立つんだよ・・・」

門番1「・・・やっぱり例の噂は本当なのか?ケーニッヒが女の奴隷を自分の部屋に連れ込んで・・・」

門番2「確証はない。ただあいつは男の収容所の監視はオレらにまかせて、女の収容所とそれと重労働してる工場のカメラでの監視しかしてない。あいつは心底クズ野郎だと思うねオレは」

門番1「そんな奴の命令聞いてるオレらもクズ野郎だけどな・・・」

 

そんな会話をしているとマヌケそうなメモトロンが一人の少女を連れて2人の元にやって来る。

マヌケ「お~い、ちょっとすまないダス~!」

門番1「おいお前何だよ、その女は誰だ?」

マヌケ「いや実はさっきファクトリーの外壁周りをパトロールしてたら、壁の近くで倒れてるのを見つけたんダスよ。だから捕まえて連れてきたダス」

 

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その少女は美しい容姿の少女だった。きれいな青髪で銀と青色の入ったの鎧とそれには似合わぬミニスカート姿、そしてそこから伸びる白い太もも。その姿に門番2人は鍔を飲み込む。

門番2「そ、そうか、ごくろうだった・・・じゃあ後は警備班に・・・」

門番1「ちょ・・・ちょっと待てよオイ!!」

門番2が無線で警備班を呼ぶのを門番1は阻止する。

門番1「わ、悪いちょっとツレと大事な話があるんだ。女を少しの間見ていてくれ」

マヌケ「了解ダス!」

そして門番2人は少女から離れた所で小声で話を始める。

 

門番2「何だよ一体!?」

門番1「なぁ、あの女オレたちで頂いちゃわないか?」

門番2「・・・!?お前何言ってるんだ!そんな事バレたらオレたち・・・」

門番1「男の収容所の方に隠しておくんだよ。さっき話してただろ、ケーニッヒは男の方は見ないって!」

門番2「・・・そうか!その手があったか!!でも、他の仲間に見つかったら・・・」

門番1「大丈夫だ、その心配はいらねぇ。隠すのにいい場所があるんだよ。まぁ任せとけって・・・」

それから2人は少女らの方に戻って、彼女の身柄を引き受ける。

門番1「ご苦労だった。あとはオレたちがこの女を連れて行くからお前は持ち場に戻れ」

マヌケ「了解ダス、持ち場に戻るダス!」

そう言ってマヌケなメモトロンはその場を去っていく。

門番2「ハッ・・・マヌケが、あっさり引っかかりやがって」

門番1「よし、それじゃあ行くぞ」

門番達は少女の頭の上から体を覆える大きな布の袋をすっぽりと被せて、収容所の中に入っていく。

 

男性収容所内。4階が吹き抜けとなっており、一部屋に四人の奴隷が入れられている。しかし最近では部屋数が足りなくなり6、7人、ひどい場合は10人以上が狭い部屋に入れられていることもある。

門番2「どこも満室じゃねぇか。どこにあるんだよいい場所って・・・」

門番1「この間収容所警備の仲間から聞いたんだ。こんな状況なのにたった一人一人部屋与えられて、その上監視の奴らも近づかない奴がいる場所があるんだ」

門番2「ど、どんな奴がいるんだその部屋?」

門番1「生活態度は良好らしいんだがおかしな奴でな、相部屋になった奴ら全員が部屋を変えてくれって言ってきて、一人部屋をあてがわれたのさ。皆気味悪がって警備の奴らも監視カメラも誰も近寄らない、見ないって訳よ」

門番2「そんな奴のいる所に隠して大丈夫なのか?」

門番1「一晩だけなら大丈夫さ。それに一晩楽しんだら勿体無いがぶっ殺して捨てちまえばいいんだよ」

 

そんなことを話している内に、3人はその男がいる部屋に到着する。中は暗く、その男は中にいたが、影で顔はよく見えない。門番2人は少女から袋を取り、鉄格子を開け、部屋の中に放り込む。

門番1「悪いがこの女を一日ここに入れておくことになった。いいかオレたちが来るまで変なこと・・・」

門番2「バカ!余計なこと言うな!!と、とにかく手を出すんじゃないぞ、いいな?」

???「・・・・・・」

そう言った後、鉄格子を閉め、2人はその場をそそくさと去る。

門番1「今日の夜が楽しみだぜ・・・」

門番2「あぁ、朝まで嬲ってやるぜ!」

 

 

しばらくして、部屋の中に倒れた少女がゆっくりと起き上がる。少女は顔をこすって辺りを見回す。

少女「うぅ~、痛いです~。ここは一体どこなんですか~?」

???「あぁら?珍しいわね。ここに女の子がくるなんて」

少女「・・・!?誰ですか?」

少女が部屋に入って左側のベッドの方を見ると、『その男』は座って彼女の方を見ていた。

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???「いらっしゃい可愛いお嬢さん・・・んふ・・・」

少女はその姿を見た時その男がまるで女のように見えた。肌は雪のように白く、黒のアイシャドウに口紅、長いまつげ。しかし声は男で身長も180くらいはあった。そんなことを考えていると男は彼女の視界から消えていた。男は彼女の後ろにいた。彼はマーリアの体を後ろから抱きつきながら彼女の胸の鎧をノックするように叩いていた。

少女「な、何を・・・!?」

???「あなた年の割に意外と胸あるのね。これは中に詰まってる音だわ」

コンコン!コンコン!

少女「やめて!私にひどいことしないで!!」

少女は涙目になって頼む。

???「フフフ、安心なさい。アタシは子供には手出ししないわよ。久しぶりに人に会えて嬉しいのよ。それもあなたみたいなきれいな女の子に」

少女「・・・それじゃあ私のお尻を撫で回すのをやめてくれませんか?」

???「アラッ!!」

男の左手は少女の尻をスカート越しに撫で回していた。

???「あらやだゴメンナサイ!あんまり柔らかかったからついつい・・・」

男は顔を赤らめながら彼女に謝った。その様子を見て変な人ではあるが決して悪い人間ではないと彼女は思った。

 

それから・・・

 

ロゥズ「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私の名前はロゥズロゥズ・ガーデンよ」

マーリア「私はマーリアマーリア・フラムレーヌといいます。よろしくお願いします」

ロゥズ「こちらこそよろしくねマーリアちゃん!」

2人は改めて自己紹介をして握手を交わす。

ロゥズ「ところでマーリアちゃんも5月31日の時からこの砂漠にいたの?」

マーリア「・・・!!!もしかしてロゥズさんもあの日に空の割れ目に吸い込まれて・・・」

ロゥズ「空の割れ目?アタシは白い光に包まれて気付いたらこの砂漠にいたのよ」

ロゥズの話によれば、あの日に幾つもの並行世界で大異変が起きて、この砂漠に飛ばされた。しかしその日にどういうことが起こったかは次元世界によって異なるのだそうだ。

ロゥズ「この世には幾つもの並行世界ってのがあって、あの日にそれが一気に崩壊して、様々な次元世界の人間がここにやって来た。ココに来て1ヶ月、そういうことは大体分かったのよ」

マーリア「そんな世界が存在していたなんて・・・」

ロゥズ「マーリアちゃんはココに来てからずっと一人だったの?」

マーリア「はい、ずっと一人であの怪物たちと闘いながら砂漠の中を彷徨っていました。でも怪我をして、力尽きて倒れて気がついたらこの大きな建物の中に入れられていて、しかも武器も落としてしまって・・・」

そう言いながらマーリアは自分の右太ももにある、大きな傷を見る。

ロゥズ「あら大変、傷が炎症を起こしてるわ。すぐに手当しないと・・・」

ロゥズは自分の右手をマーリアの太ももに当てる。すると彼の腕からエメラルドのような輝きを放つバラが生えてくる。その様子にマーリアは息を呑んだ。バラからは光り輝く液体が流れ落ちて、傷口に降りかかる。するとあんなにひどかった傷がみるみるの内に塞がっていく。そして跡形もなく綺麗になくなってしまった。

マーリア「ロゥズさん、これは・・・?」

ロゥズ「アタシが小さい頃から持っている力よ。このバラのエキスはどんな怪我や病気も治せる」

そう言うとバラはしぼんで、ロゥズの腕に戻る。

マーリア「すごい!あんなに痛かったのに全然大丈夫です!」

マーリアは綺麗になった太ももを見ながら嬉しそうに言っていたが、ロゥズの顔は突然暗い顔になった。

マーリア「・・・ロゥズさん?」

 

ロゥズ「・・・この力は私が7歳の時に、私を育ててくれた恩人のお陰で今こうやって自由に使えるようになった能力なのよ。それまでは制御できなくて苦労したのよ・・・その人は血のつながってない私を本当の家族のように受け入れてくれた・・・でも・・・私は彼女を助けられなかった・・・」

彼は自分の右手を見つめながら語る。

ロゥズ「彼女は死んだのよ・・・10年前・・・大異変が起きた日と同じ5月31日に。私の力を持ってしても、壊れた命を元通りに治すことは出来なかった・・・」

マーリア「ロゥズさん・・・」

ロゥズ「それからはずっと無気力に生きてきた・・・今日までずっとね。、生きる目標もなく、ただ生きてただけ・・・私のバラは見てくれはキレイだけど、根は腐って、もう死にたがってるのよ・・・」

ロゥズはそう語ると、鉄格子の外に見える青空を見る。

 

と、その時外が異様に騒がしくなる。大きな爆音やメモトロン達の悲鳴が聞こえてきたと思った直後・・・

ドギャーーーーーン!!!

 ロゥズ「ぎゃああーーーーーーっ!!!」

マーリア「はぅああぁ!!!」

2人のいた牢の壁が吹っ飛ばされ、そこから一人の男が入ってくる。

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リンドウ「やれやれ・・・少々暴れ過ぎたか・・・」

リンドウであった。彼の後ろには穴を開けられた外壁とそこら中に散らばったメモトロンの残骸が転がっていた。

リヨ「リンドウ先生、待ってください!」

その後ろから彼のお供のリヨとライルもやって来た。

リヨ「リンドウ先生、さっきメモトロンから手に入れたここの見取り図なんですが、私達はどうやら男性収容所の中にいるみたいです」

リヨはリンドウにパッドに映った見取り図を見せる。

リンドウ「ここを出て、特別収容所を抜けて、ラボの中を通って中央のタワーに行けばいいのか。理解した」

そう言うと、突然の事態に動揺する2人を見てリンドウは彼等に語りかける。

リンドウ「すまなかったな、驚かせてしまって。私達は君達には何もしない。ここのリーダーに用があるのでな・・・」

ロゥズ「ハッ・・・!」

その時、ロゥズはリンドウの凛々しい顔を見て赤面する。

マーリア「あっ!それ、私のレイピア!!」

と、ここでマーリアはライルの持っていたレイピアを見て指差す。

ライル「これ?これはオレがさっき壁の近くで見つけたものだよ。これはオレのもんだよ。名前でも書いてるのかよ!!」

マーリア「柄の部分に私の『マーリア』という名前が書いてあります・・・」

そう言われてライルが柄の部分を見るとたしかにそこには彼女の名前が入っていた。

ライル「ゲッ・・・」

リンドウ「彼女の言ってることは本当だ。ライル、それを彼女に返しなさい」

ライル「ちぇ~ッ!せっかく手に入れたのにな・・・」

リンドウに言われ、ライルは渋々レイピアをマーリアに返す。

リンドウ「君達はここにいろ。これから我々はこのファクトリーを乗っ取って、君達を全員助けだす。少なくともここにいれば安全だ」

そうマーリア達に言った後、リンドウは鉄格子をねじ曲げ、外に出る。リヨとライルもそれに続く。

ライル「きれいなお姉さん、さっきは悪かったよ。それじゃ!」

ライルは去り際にマーリアにそう言ってリンドウらと共に走り去っていく。

 

マーリア「あの人達は一体・・・」

ロゥズ「・・・マーリアちゃん彼の顔・・・見た・・・?」

マーリア「え?」

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ロゥズ「美しい・・・美しいわ・・・あの凛々しい顔立ち、赤い瞳、逞しい体!あんな美しい男初めて見たわ!!」

そしてロゥズは立ち上がって、鉄格子の外に出る。

ロゥズ「マーリアちゃん、決心したわ。私彼を追いかける」

マーリア「えぇっ!?でもあの人ここにいろって・・・」

ロゥズ「彼の瞳を見た時、私には分かったわ。彼は強い決意を持ってここに来た。彼はここをぶち壊すわ・・・でもそれには一緒に戦う人間が一人でも多く必要よ!」

そのロゥズの顔にはさっきまでの暗さはなく、気力に満ち溢れていた。

ここで騒ぎを聞きつけたメモトロンが現れ、檻を出ようとするロゥズに銃を向ける。

メモトロン「おい貴様勝手に外に出るんじゃない!殺された・・・」

ロゥズ「全くうっとおしいカスね、実に美しくないわ!」

バシュン!!!

銃の引き金を引き、撃とうとした瞬間、メモトロンの体にロゥズのバラの茨が巻き付き、身動きが取れなくなる。

ロゥズ「今の私を止めることは誰にも出来やしないわ・・・誰にもね!」

ギュイッ!

メモトロン「ぐべば!!!

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ロゥズ「私は美しい!美しさはどの世界でも正義よ!覚えておきなさい!!

メモトロンに巻き付いていた茨が一気に締め付けられ、メモトロンの体がバラバラに飛び散る。

ロゥズ「さぁ、付いてらっしゃいマーリアちゃん。あなたも彼のことが気になったんでしょ?それにあなたも私のように『特別な力』を持ってるんでしょ?」

マーリア「・・・!!!どうしてそれを!?」

ロゥズ「初めて体に触った時にあなたから発する力を感じたのよ。私と同じかそれ以上の力を。強制はしないわ。あなたの意志で決めなさい」

彼にそう言われてマーリアはしばらく俯いていたが、レイピアの柄をギュッと握りしめ、顔を上げる。するとレイピアの剣の部分が青い炎を発し始める。

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マーリア「私も行きます!お供させてください、ロゥズさん!!」

ロゥズ「そうっこなくちゃね!さぁ行きましょう!!」

マーリア「はいっ!!」

 

ロゥズ・ガーデン

能力「エメラルドローゼ」

エメラルドのバラを手から出す能力。バラの蜜は治癒能力を持ち、茨で攻撃も可能。様々な目的に使える万能な能力。

 

マーリア・フラムレーヌ

能力「蒼炎魔法」

青い炎を操る能力。専用のレイピアに炎を伝達させ威力を倍増させて攻撃する。

 

ツヅク。。。

 

今回の話で全レギュラーキャラが登場しました。さぁ!いよいよ次回からリンドウらによる進撃の始まりだ!!!